忘れちまった単語集02 「moat」

こんな単語を忘れてしまっていいのかという、お城の案内に欠かせない単語「moat」、「掘」を表す英単語ですが、特に姫路城の掘は螺旋状にはりめぐらされ、江戸城との比較なんぞで必ず説明すべきものです。よってこの単語がふつうの英語学習者にとってはなじみのないものであっても、城の案内人には忘れるはずのないほどよく使う言葉です。

さらにはこの単語は英語話者にとっても、特に城のない国や英語を第二言語とする人にはつうじなかったりするということで、そのような反応が見られたら言い換えてあげるというテクニックも備えておくよう、先輩ガイドからうかがうものでもあります。だからぶっ飛ぶだなんて思いもしない英単語ランキングのようなものがあれば、上位に入ってきそうなほどなのであります。

それが飛ぶのですから外国語を話すのと脳の仕組みの関連がますます理解不能に思えます。実際にとんだ場面を文面で再現しますと、(できるか?)

これは18世紀の姫路城の模型です。城は3つの区域に分けられます… (This is the model of Himeji Castle in the 18th century. The castle was divided into three parts with…with…)

あまり言いたくないのですが言い換えにはcanal(運河)を使っていました。人工の川なので意味は十分伝わります。ですが、canalじゃないやろといわれたこともあるので、やっぱり運河はもっと広くて主に人が移動のために使うものなのでしょう。外国人からの反応は言いたいことは分かるという程度です。

さてmoatですが、mound(土の塊、野球のマウンド)と音やスペルも似ておりルーツを共にしてそうです。丘を表すmoteという単語があったようですが死語。フランス語ではmotteという言葉がありmoundの意味です。

要するにイギリス英語の城郭用語なのですが、日本の中世の山城のように、ロンドン塔のようなレンガ造りの城以前にはイギリスでも旧式の城郭様式があり、それをmotte and baileyといいます。https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%BB%E3%83%99%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%83%BC

日本の山城跡のようなものでしょう、イギリスからのお客さんに使ってみても、「あーそんなんありますねー」程度の反応なので、これは一般的な日本人に山城跡の話を振っても仕方がないのと同じでしょう。実はモットアンドベイリーには結構時間をかけて調べたことがありますが、反応悪すぎてボツネタとなりました。

moatですが、日本語の「土手」も水に関わる文字なしで水のある場所を想起させるように、ようにと言うと英語ネイティブみたいですが、このmoatも近いものを感じられます。

あくまで城郭用語であり、イギリス人でないと分かってもらえない場合も多々あります。大抵は流してくれるのですが、かといってアメリカ人やオーストラリア人に「moatって分かります?オタクら城ないでしょ?」と言うと、「そんなん知っとるわ」と返される場合もあるので、そんな失礼なことは言わずにおかねばなりません。ノリのいいお客さんであれば「俺よりアンタの方が英語詳しい」などと盛り上がったりするのもこの単語なのでした。ここまで印象付ければもう忘れないでしょう。moat生きてんじゃねーよということで今回はここまでです。

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