高校生オンライン読書会17「東大留学生ディオンが見たニッポン」01

先日岩波ジュニア文庫ディオン·ン·ジェ·ティン著「東大留学生ディオンが見たニッポン」の読書会をしました。この本はシンガポール留学生のディオンさんが、異文化コミュニケーションについて、日本での滞在について分析しながら、留学生たちがニッポンについてどう感じているのかを日本人に教えてくれるものです。

やはり東大ということなのか、分析力と実行力がずば抜けていて、例えば、日本の同一集団的コミュニケーション(ハイコンテクストという単語を使っていました)に対して、諦めるところは諦め、外国人でも努力すれば何とかなるところを努力すれば(政治経済ファッション音楽スポーツとか)、日本人と同じように話すことができると考え、そこに並々ならぬ努力をしたことを一番評価してもらいたい、とか。

多言語話者で優秀な人材である著者が日本を選んだのは、旅行でであった日本人の人柄、優しさ。こういった日本の良さは自負すべきで、さらにはそれをいかに研ぎ澄ましてもっとアピールするか、そんなことも学べます。ほんでもって、日本という特定の国への滞在についてだけでなく、一般的に他国出身の人とコミュニケーションを図るときの心構えを隅々まで書いてくれている良書です。

生徒のサマリーからは「旅行者にフレンドリーだが、住むにつれて印象が変わっていく日本人」「日本語お上手ですね!の裏にある本音と建前」「海外では本音で話す、日本人は建前で話す」「日本人は(分かってても)英語を話すのを避ける」「日本人の英語が向上しない理由」「読み書きができれば満足という語学学習に対する態度」などが出ました。

対話では、「日本人的コミュニケーションと異文化コミュニケーションそれぞれの内容や長所を説明し、どっちの態度を取り、スキルを伸ばしていくか」で話しました。こういう本を読めばストレートにモノを言い、衝突してでも歩み寄る本音で話すことの方が関心を持たれがちですが、いざやってみたら衝突を怖れての日本的なものしかできんというのが大方の意見でした。時と場合、人によって変えていかねばならないというのも挙がり、結局どっちも必要なのですね。

日本に住んでいる限りは死ぬまで建前、パーフェクト建前を極めるのも技術でしょう。著者も日本人のやり方を否定しているわけではありません。むしろ完璧な建前社会を入り込んでしまえば面白いと言いたげです。住みにくさ生きにくさの問題も取り上げられる今日この頃、秋の夜長に異文化コミュニケーションについて考えた若者たちなのでした。

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