亜米利加人が来た06

日本に住んでいると、我々の祖先って江戸時代武士だったとか、戦前の土地を農地改革で全部持っていかれたとか、前提が日本人なんですが、アメリカや東南アジアの人と話しているとそんな前提はありません。人類もイナゴの群れのようにうごめいて生存を図っているかのようなダイナミズムをひしひしと感じます。

先日出会った人の良さそうなアジア系のおじさんは白人の妻を連れ、アメリカはオークランドからやってきました。このブログで何度も言ってるかもしれませんが、海外からの旅行者は日本で英語が話せないことからの英語ロス、会話ロスに陥って、よって我々との会話はそこからの癒し効果があるようで、めちゃんこ喜んでくれるときがあります。この度もそうかなと思っていましたが、おじさんとの会話も弾んだので「What is your origin?」と尋ねると、韓国人であるが日本生まれ、吉祥寺で18歳まで過ごしたのちアメリカへ移住したという経歴の持ち主でした。言うなれば在日韓国系アメリカ人、ややこしいですがアメリカではそんなことは関係ないのでしょう。(追記、アメリカ人も家のルーツは楽しい話題のひとつであると聞いたことがあります)

originは「起源、生まれ、血統」などの意味で、original「最初の、独創的な」、originate「起こる、生じる」などの派生語があり、orient「東洋」と同語源です。このoriには元々上がるとか出るとかの意味で、日が上がるから東洋の意味になったのは有名な話ですが、「be動詞areと同根か?」などという興味深い説明もあります。oriental「東洋の」は西洋人から見て神秘的なニュアンスを含んでいるようですが、これは東洋産の宝石に由来しているようです。そしてオリエンテーションは東洋に移住してそこに適応することが語源だとか。

このおじさんは「君に聞いてほしい」と改まって、この旅が自分の人生の総振り返りであることを話してくれました。井の頭公園で野球のユニフォームを着た白黒の写真の少年が60年前のおじさんで、数日前に同じところで、同じポーズで写真を撮ってきたようです。手元に残った写真をたどる旅だったようで、中でも感動的だったのは、公園で魚を撮る自分の写真のところに行くと、同じくらいの歳の子供が魚を捕っていたとのこと(今の東京でよくぞまあ)。

そんなん単なる偶然でしょ、とは言えないほどの感極まりようで、この旅行を日本人である君に言えたことが嬉しいと高額のチップとともに去って行きました。こちらも、一人の少年が激動の時代を成功のうちに駆け抜けた話が聞けて意義深い出会いとなりました。

Follow me!

前の記事

新加坡人が来た01