亜米利加人が来た04

日本通の外国人も結構来ます。アニメ、建築、歴史、はたまた宗教に精通しているお客さんもいて、こっちは英語レベルの差もありタジタジになります。しかし、気合いを入れて根気よく相手の流れるような英語を聞いていると、彼らの獲得した日本感はどうも我々プロの日本人とはズレがあるということにも気付きます。つまりはにわか勉強だけでは、異文化を体得するなんぞ不可能で、であるならば、異文化間に違いがあることを理解し、この体得できない感じを楽しみ、ちょっとずつ近づいていく、あるいはブレンドしていくことが異文化コミュニケーションの極意なのではないかと思います。

いいこと言ったのでもうこれで終わってもいいのですが、「ninja」は日本から一人立ちしたヘンテコなワードの例です。今では特にお城や伊賀で外国人をもてなすのが仕事となりましたが(最近は忍者募集しているところ増えているようです)、元々は武士になれなかった身分で、諜報や暗殺などスパイとして暗躍、江戸時代になると下級公務員化したというのが忍者の経緯です。

私がお城の急な階段を必要のため駆け上ったりすると、あまりにスムーズなため、「ninja!」と言ってくれるお客さんもいます。このようにninjaはスパイダーマン的存在なので、「サムライにもなれず、農民としても食べていけず、暗い仕事を請け負った層」などと説明すると、何か騒いでしまってスイマセンみたいな空気になります。

私が滑らかに歩くのを、「stealthy」と言ったお客さんがありました。後ろの「th」が聞き取りにくく、何度か聞き直しましたが、ステルスというカタカナ語を思い出し、状況からたぶんこっそりという意味だろうと推測しました。帰宅後調べると「ステルス戦闘機」という語が見つかり、確かレーダーに引っかからない仕掛けの戦闘機だったと思います。

この「stealth」、言われればその通りですが、steal(盗む)の名詞形でした(stealthyは形容詞)。原意は「人目を盗んだ」「こっそり逃げ出す」から今は「ひっそり」まで使えますが、忍者を表すのにぴったりの表現でした。ネイティブすげぇー!

お城には日曜日にサムライや忍者のコスプレ隊が来て、写真を一緒に撮ってくれますが、このお客さんにも「どう?」と勧めましたが、「No」と一蹴されました。こういうことではない、という風な断りかたでした。こだわりって大切ですね。

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